お客様宅にてお部屋の使い方などお話していると、時々「入学に合わせて子どもの勉強机を準備したいけど、どんなのがいいですか?」って聞かれることがあります。
結論からいうと、私は長く使えることを考えるなら、いわゆる『学習机』ではなく、フレキシブルな物をオススメします。
“ザ・学習机” は意外とフレキシブルじゃない
学習机なら丈夫で立派だし、おまけに高さを変えたり付属の本立てなどを付けたり外したりして長く使えるように作られてるんじゃない?って思いますよね。
ただ、ガチガチの学習机って置く場所が限られてしまいませんか?
例えば、購入する時は大抵のご家庭で
「ここに置くからこの位のサイズ」
「ここにしか置けないからこのサイズ」
という選び方をすることが多い気がします。
でも置く場所を変えようと思った時、その学習机のサイズに縛られて、模様替えや家具レイアウトの変更が思うようにできなかったりする場合もあります。
また、それを使う子どもって、成長するにつれて変化するのは身体だけじゃないですよね?
小、中学生の間は机上で教科書や参考書、ノートを広げて文字を書く「学習」をすることが多いですが、人によってはそういった学習以外の、作品を作ったり図面を広げたりする場所として使うことがあるかもしれません。
作業の用途によって、必要な作業スペースが変わる可能性は十分にあるんです。
だから、高さを変えられるだけのザ・学習机ではなく、もっとフレキシブルに対応できる物がオススメ。
両側2箇所の「脚」となる物に、単に天板を乗せただけの机なら(天板は動かないようにした方が安全)、その後、その時々の生活に合わせた無限の使い方ができるはず。
今はそういったたぐいの部材も多く販売されているので手に入りやすいですよ。
大事なのは「机」より「椅子」
人によって考え方は違うかもしれませんが、私はむしろ、机より椅子に予算を回した方がいいと思っています。
座る姿勢は、机ではなく椅子によって左右されます。
重要なのは「差尺」と呼ばれる、[机の天板の高さ]と[椅子の座面の高さ]の垂直距離なので、机ではなく椅子の座面の高さを調整すればOK。
人間工学的に設計された椅子も、わりと身近なお店で見かけるようになってきたので、いろいろ座りまくって試してみるのもいいですよね。
但し、アーム付きやごついサイズの椅子を実際に家で使おうとして運び入れてみると、お店で見た時より驚くほど大きく感じるのでご注意ください。